名古屋港水族館(2021年3月18日)
先日、和歌山県太地にあるくじらの博物館に行ったことで抑えがきかなくなり、ついに思い立って私の大好きなシャチに会いに行くことにしました。
目的地は大阪からでも日帰りで行くことのできる、名古屋港水族館です。
この水族館は北館と南館に別れており面積も日本最大級となっています。
また北館と南館にはそれぞれテーマがあり、北館では「35億年 はるかなる旅」をモチーフとした展示がされていて、イルカやシャチの泳ぐ姿を見ることができる他「進化の海」と呼ばれるエリアでは、かつて陸で暮らしていた哺乳類が再び海に戻りクジラへと進化する過程を学ぶことができます。
そして南館では「南極への旅」をモチーフとした展示がされています。ここでは南極観測船の「ふじ」がかつて南極へ向かったコースを再現し「日本の海」から「南極の海」に至るまでに見ることができる生き物を観察することができます。
名古屋港水族館へのアクセスについては、大阪だとJRや近鉄電車を利用するのが便利です。今回はJRを使いました。大阪から約3時間かけて金山駅まで電車を乗り継いだあと、そこから名古屋市営地下鉄の名港線を使い10分ほど乗ると名古屋港駅に着きます。
名古屋港駅から水族館までは徒歩5~10分ほどで着きます。
名古屋港には、水族館の他にも南極観測船ふじ、展望台、海洋博物館と言った施設があります。
これらの施設をお得に回ることのできる、水族館とのセット券も販売されています。
名古屋港水族館の入館料は2021年時点で2030円。
年間パスポートだと5190円。
水族館の規模から考えると、かなり割安であるように思います。特に年間パスポートを買うと3回行くだけで元が取れるので、水族館が好きなら購入を検討するのも良いかもしれません。
さて、そうこうしている内に入館時間となったので、はやる気持ちを抑えて北館2階にある入口より、いざ入館。
入口から辺りを見渡すと……すぐ右側にシャチの姿が。
もはや気持ちを抑えることなどできず、シャチの方へと吸い込まれるように行ってしまいました。
生のシャチをこの目で見るのは子供のころ以来です。
20年越しに間近でシャチの姿を見て最初に出てきた感想は「でっか!」です。
他にも思うところはあったはずなのですが、そのスケールのあまりの大きさに言葉を失ってしまいました。
次第に落ち着きを取り戻し、次に出てきた感想は「美しい……」です。白と黒の見事なコントラストにはただただ感動するばかり。
2021年現在、名古屋港水族館にいるシャチはメスのステラ、リン、そしてオスのアースの計3頭です。詳細な血因関係は割愛しますが、ステラとリンは親子、アースとリンは甥と叔母という関係になります。甥っ子のアースの方がリンよりも年上という少し不思議な関係。
さて、正直シャチだけでも平気で半日ほど過ごせそうな気はしますが、それだと少しもったいない気もするので、他の場所へ行くことにします。
入口中央のプールではたくさんのイルカが泳いでいました。
イルカが清掃の邪魔をするという水族館にありがち(?)な光景も見られました。
そのすぐ後ろ、「オーロラの海」と呼ばれる洞窟のような場所にいるのはシロイルカ(ベルーガ)です。
名古屋港水族館ではシロイルカの飼育にも力を入れており、現在6頭のシロイルカがプールで泳いでおり、その内の2頭は名古屋港水族館生まれとなっています。
さて、次に向かったのは同じく北館2階にある「進化の海」と呼ばれる場所です。
ここでは太古の昔、我々哺乳類の祖先が如何にして「クジラ」へと至ったのかを学ぶことができます。
最初に目に入るのはシャチの全身骨格です。
骨だけでここまでの迫力を演出することができるのは、まさに見事の一言に尽きます。
以下は現クジラのご先祖様に当たる生物たち。
私自身、進化学的な見地からクジラ類を好きになったという経緯があるので、こういった資料を目にするとワクワクします。
そして進化の海からさらに奥に進むと「水中観覧席」にたどり着きます。
ここでは、メインプールで泳ぐイルカの様子を水中から見ることができます。
水中観覧席にもモニターが用意されている他、音声も繋がっているのでここでは普段とは少し違った角度からイルカショーを楽しむことができます。
さて、続いては北館2階からエスカレーターを使って屋外(3階)へ出ます。
3階ではメインプールやシャチプール、ベルーガのいるオーロラの海を上から見ることができます。
朝早かったためか、イルカのプールで健康診断の様子を見ることができました。
採血や体温測定の間中、ずっと仰向けで待機していられるのはえらいなと思いました。
こちらはシャチになります。
3階からはシャチをアクリル板越しではなく直接この目で見ることができます。
2階からはあまり見ることのできなかったオスのアースくんの姿もよく見えます。
メスのシャチも大きかったのですが、オスはもっと大きかったです。
背鰭、胸鰭、尾鰭……、とにかくでかい。本当に、どこまでも素晴らしいです。シャチ。
名古屋港水族館では毎日決まった時間にシャチの公開トレーニングを行っているのですが、それとは別にトレーニングを行うことがあり、私が見に行った時もその様子を見ることができました。
そうしてシャチやイルカの泳ぐ姿を見ていると、イルカパフォーマンスの時間になりました。
ここでは大きなプールで迫力ある演技を見ることができます。
また、目の前の大きなスクリーンでも演技の様子を見ることができるため、もしもジャンプの瞬間を見逃してしまっても安心です。
ショーも終わりまして2階から屋外施設の「しおかぜ広場」に行くと、ペンギンやアザラシに会うことができました。
しおかぜ広場にいたのはケープペンギンでした。
日本の水族館や動物園にいるペンギンの多くはケープペンギンやフンボルトペンギンです。
これらのペンギンは南極地帯ではなく比較的暖かい地域に生息しているので、日本の気候でも飼育しやすくなっています。
ケープペンギンとフンボルトペンギンの見分け方についてですが、イメージとしては顔のピンク色の部分が多いのがフンボルトペンギンかなと思っています。
ただ、個体差もあるのでそれだけで決めるのは中々難しいです。
北館の展示についてはこんな感じになります。
これでもまだ全体の半分にも満たないので、名古屋港水族館が如何に広いのかと言うことがよくわかります。
さて、南館へ行く前に昼食を取るため一旦水族館を出ます。
今回私が利用したのは水族館近くにある「JETTY」という施設。
こちらの施設で名古屋らしい昼食を取らせていただきました。
この社内食堂の定食みたいな配膳好きです。
これだとお皿一枚で済むので、洗う手間が省けるのかなと思いました。
お味噌汁が湯飲み?に入っているのが面白かったです。
……さて、腹ごなしも済んだところで再び北館2階の入り口から入り、次は連絡通路を通って南館へと向かいます。
この連絡通路ではシャチを初めとした、水族館で見られる生き物たちのギャラリーを見て楽しむことができます。
当水族館の南館は冒頭でも説明しました通り、「南極への旅」がテーマとなっております。旅の出発点は「日本の海」です。
ここで最初に目に映るのは大きな水槽。イワシの群れがいました。
そして日本から南下して次にたどり着くのは「赤道の海」。
ここでは赤道付近の海に暮らす生き物たちを見ることができます。
その次が「オーストラリアの水辺」。
ここには肺魚が展示されていました。
そしていよいよ「南極の海」です。
ここではナンキョクオキアミの他、ペンギンなど、主に南極やその周辺で暮らす生き物が展示されていました。
こちらがペンギンのいる水槽になります。
ジェンツーペンギン、アデリーペンギン、ヒゲペンギン、それからエンペラーペンギンがいました。
これらのペンギンのうち、南極大陸で繁殖するのは、実はアデリーペンギンとエンペラーペンギンだけだったりします。
他のペンギンは主に南極大陸周辺の島々を中心に生息しています。
こちらは名古屋港水族館スタッフが知床の羅臼へ訪れた際に撮った写真の展示コーナーです。
私もいつか、野生のシャチを見に訪れて見たいものです。
こちらは館内で孵化したウミガメの子どもたちです。
小さいのがたくさんいました。
南館には上のような施設の他「くらげなごりうむ」と呼ばれるクラゲの展示施設や、タッチプールも用意されていました。
さて、一通り館内を回り切ったところで、いよいよシャチの公開トレーニングの時間となりました。
シャチの公開トレーニングは大きなメインプールの他に普段シャチたちが泳いでいるシャチプールで行われることもあります。
今回のトレーニングはメインプールで実施されるようです。
モニターにもシャチの様子が映し出されるので、トレーナーやシャチが何をしているのかがよく見えます。
シャチはその巨体ゆえに、ジャンプから着水しただけで大きな水しぶきが上がります。
あとは着水時の音がすごかったです。何かが爆ぜるような音がしました。
最後は陸に上がってポーズを決めてフィニッシュ。
シャチの公開トレーニングは飼育員さんによるシャチの生態解説を交えつつ15分ほどで終了。
今回のトレーニングではリンが頑張ってくれました。
……さて、と言ったところで名残惜しいですが、水族館も終わりの時間が近づいてきました。
本当に楽しかったので、閉館の時間ぎりぎりまで粘ってしまいました。
素晴らしい思い出ができました。
また機会があれば行きたいなと思います。
……むしろ無理やり機会を作ってでも行きたくなる、それが名古屋港水族館。近いうちにまた行こうと思います。
(追記:2021年8月31日、早速行っちゃいました。今回は年間パスポートを買ったので、今後は可能な限り足を運びたいです)
……以上で、終わりとなります。
最後まで読んで下さり、ありがとうございました!